この記事について

個別株の買い時に悩んでいる方、最近の株安をどう捉えればいいか迷っている方に向けて書いています。

先に結論を書くと、株の買い時なんて誰にも正確には分かりません。それでも「今回の株安をどう見るか」は考える価値があります。そして、個別株の買い時より結局大事なのは、積立を淡々と続けることだと思っています。これはあくまで私の経験ベースの話です。

当たり前の話から

株で儲けるにはどうすればいいか。答えは単純で、安く仕入れてそれ以上で売ればいい。それだけです。ここでは信用売りは考えません。

では、その買い時は分かるのか。統計的・テクニカル的には、アノマリーと呼ばれる季節性の経験則が存在します。特定の時期に上がりやすい、下がりやすいといった、明確な理論的根拠はないものの経験的に観測される値動きの傾向のことです。ただそれも絶対ではないので、私も参考程度にとどめていて、どちらかというと自分の判断で「買い時かな」と思ったタイミングでインします。アノマリーを完全に無視するわけではありませんが、それだけを根拠に売買を決めることはしていません。

どっちみち長期投資を主にしていますし、買う銘柄も成長するだろうという期待込みなので、あまり値段自体は意識していません。それでも、買うならば安く買いたいというのが人の性ではないでしょうか。底値なんて分かりません。あくまで予測です。その中で、現時点の株安をどう見るかという話をしたいと思います。

直近の株安・円高のハイライト

ここ最近の相場を振り返っておきます。9月11日、日経平均は前日比1,259円安(-1.93%)の64,011円で取引を終えました。中東情勢の緊迫化による原油高と、米国のインフレ懸念が背景です。9月8日にも前日比1,130円安(-1.70%)の65,269円と、急速な円高進行が自動車などの輸出関連株の重荷になりました。

円相場は9月8日時点でドル円が152円台まで進み、約6か月ぶりの円高水準です。直近1週間ほどで約7円という急激な動きでした。背景としては、9月中旬に予定されていた日銀の金融政策決定会合での利上げ観測が急速に高まったこと、米国の雇用統計が予想外に弱く利下げ観測が強まって日米金利差の縮小が意識されたこと、さらに米財務長官が円安進行を牽制する発言をしたことなどが挙げられます。米国株も、中東情勢の緊迫化を受けた原油高や物価指標の上振れを受けて、主要指数が下落する場面が見られました。

こうした株安・円高が重なったのが、今回の局面です。輸出企業にとっては円高が業績の重荷になりやすい一方、輸入企業や海外資産を持つ側から見れば、円高はコスト面でプラスに働く部分もあります。どちらの見方も一理あるだけに、この株安・円高をどう受け止めるかは、結局のところ個々の投資スタンス次第だと感じています。

私の暴落経験

私が投資を始めたのはコロナ禍付近です。そこから2024年8月の令和のブラックマンデー、2025年4月のトランプショックという暴落を経験してきました。

令和のブラックマンデーは、日経平均が1日で過去最大級の下げ幅を記録した日で、当時は含み益が一気に含み損に変わっていく画面を見ながら、正直かなり肝を冷やしました。トランプショックのときも、関税をめぐる政策発表をきっかけに、世界中の株式市場が同時に崩れていく様子を目の当たりにしました。振り返ると、暴落のたびに「もうダメかもしれない」と思いつつ、結果的にはまた相場が戻ってきたという経験の繰り返しです。渦中にいるときは、今回も本当に戻るのか半信半疑になるものですが、過去の暴落を乗り越えてきた経験があるからこそ、今回の株安にも比較的冷静に向き合えている気がしています。

今回の株安をどう見るか

楽観的に「一時的な調整だろう」と見るのであれば、直近と比較して安く仕入れられる局面であることは間違いありません。悲観的に「まだ下がる」と読むなら、この局面は待ちになるでしょう。ただし、その分、買い時を逃す可能性もあります。要は、どう判断するかはこちら次第という話です。

中東情勢や日米の金融政策といった要因が絡み合っているだけに、この先さらに下がるのか、ここから反発するのかは、正直誰にも断言できません。ただ個人的には、こういう複数の要因が重なって急に円高・株安が進んだ局面は、過去の暴落と比べると値動きの荒さこそあれ、企業業績そのものが根本から崩れているわけではないケースも多いと感じています。もちろんこれもあくまで私の感覚的な見立てであり、外れる可能性は十分にあります。

ただ、買える資金は用意しておくことが大事だと思っています。買い時だなと思っても、資金がなければ買えません。ここでは現物買いのみを考えています。実は私が今まさにそんな状態です。資金を残していなかったので、買えていない状態です。買い時かもしれないと思いながら指をくわえて見ているだけ、というのは、なんとも間抜けな話ですが、これも含めて自分の実体験として正直に書いておきます。

良かった点と悪かった点

良かった点は、預金比率をある程度持っておくと、暴落時に動けることです。過去の暴落局面でも、手元に多少の余力があったおかげで、下がったタイミングで買い増しできたことがありました。

悪かった点は、衝動買いをしてしまうことです。欲しい銘柄や気になるテーマ株を見つけると、つい手元の資金を考えずに買ってしまい、結果として肝心なときに余力が残っていない、ということを何度か繰り返しています。今回のように資金を残せていない状態は、まさにこの悪い癖の結果とも言えます。頭では預金比率を保つべきだと分かっているのに、いざ魅力的な局面を見ると財布の紐が緩んでしまう。この性格は、正直まだ直せていません。

大事なのは積立の継続

個別株なんて、正直なところ趣味の領域です。大事なのは積立の継続だと思っています。積立のみをしている人の方が圧倒的に多いはずで、積立中に相場が下がるのは、むしろラッキーだと捉えています。

積立は基本的に、定期的に同額を買い付けるものです。下がれば、その分安く買い付けることができるということです。シェアの多いS&P500やオルカンは、長期的には右肩上がりで推移してきました。ただし、今後も必ずそうなるという保証はありません。それでも私は、長期的には右肩上がりに伸びていくと考えています。

短期で見れば、相場は上がったり下がったりを繰り返しています。だからこそ、こういう局面こそ気にせず淡々と積み立てることが必要だと思っています。個別株のように「今が買い時か」を毎回考える必要がないのが、積立の一番の強みです。相場が荒れているときほど、この「考えなくていい」仕組みのありがたみを実感します。

まとめ

長く投資を続ける以上、こういう下がる局面は経験した方がいいと思っています。誰しも資産が減るのを見たくはありませんが、それを乗り越えてやっと資産は増えていきます。実際、私自身もそうでした。

買い時は誰にも分かりません。それでも、資金を残しておくこと、そして何より積立を淡々と続けること。この二つを、これからも大事にしていきたいと思っています。

個別株の買い時を考えるのは、それはそれで楽しい時間です。ただ、その判断に一喜一憂しすぎて資産形成の軸がぶれてしまっては本末転倒です。今回の株安・円高も、いずれ振り返ったときに「あのときはこうだった」と語れる経験の一つになるはずです。そう思って、今日も淡々と積立を続けていくつもりです。