この記事について
入金力を高めるために、節約や倹約について考えている方に向けて書いています。
先に結論を書くと、「節約」と「倹約」は似ているようで少し違う言葉です。そしてどちらにしても大事なのは、目的と今の支出の現状分析をした上で、削っていい部分と譲れない部分を自分なりに仕分けることだと思っています。今回は、昔は自認浪費家だった私が、何を削り、何を削らなかったかを実体験ベースで書いていきます。
「節約」と「倹約」の違い
まず言葉の整理からです。普段なんとなく同じような意味で使ってしまいがちですが、辞書的なニュアンスを比べると、焦点の当たり方が少し違います。
| 節約 | 倹約 | |
|---|---|---|
| 意味の焦点 | 支出そのものを切り詰め、使う額を減らす行為 | 無駄遣いをせず、必要なところには使いながら計画的にお金を管理する考え方 |
| ニュアンス | 「減らす」という行動寄り | 「バランスを取る」という姿勢・価値観寄り |
| イメージしやすい例 | 電気をこまめに消す、外食を減らす | 収支を把握した上で、使うところと使わないところを線引きする |
厳密に使い分けている人は少ないと思いますが、私が今回書きたいのは後者、つまり「倹約」寄りの話です。ただの我慢大会にしないために、目的と現状分析をベースに線引きをする、という考え方を軸に置いています。
昔は自認・浪費家だった
私は昔、自分でも浪費家だと思っていました。当時何にお金を使っていたのか、正直あまり覚えていないのですが、忙しさを理由に外食が多く、コンビニや自動販売機もよく使い、携帯電話も大手キャリアのままなんとなく契約し続け、趣味や公営ギャンブルにもそれなりにお金を使っていた気がします。
誤解がないように書いておくと、お金を使うこと自体を否定するつもりはありません。要は時間とお金、そしてQOL(生活の質)のバランスが取れているかどうかが大事だと思っています。ただ、当時を振り返ると、正直「無駄だったな」と思う部分もあります。忙しさを理由にした支出は、その瞬間は楽ですが、後から振り返ると「本当に必要だったか」と聞かれると答えに詰まるものが多かったです。
まずは紙とペンで洗い出す
では、どこを見直すか。個人的には、一度紙とペンで支出を書き出して洗い出すのがいいと思っています。家計簿アプリでも同じことはできますが、最初の一回は手を動かして書き出す方が、自分の支出の癖に気づきやすい気がしています。
実際に私も、まずはそこから始めました。書き出してみると、人それぞれ「これは譲れない」というものが見えてきます。私の場合は、外食やお酒代がそれでした。
譲れなかったもの: 外食とお酒代
第三者から見れば、外食やお酒代は一番見直せそうな部分に見えると思います。実際、節約特集のようなものを見ると、真っ先にやり玉に挙がる項目でもあります。ただ、自分の生活や仕事の意味を考えたときに、ここは削れませんでした。
理由は単純で、削るとQOLとのバランスが取れなくなると判断したからです。忙しい平日に、外に出て誰かと話しながら食事をする時間や、たまの一杯は、単なる支出ではなく、次の日への活力を作っている部分でもあります。ここを削って支出だけ減らしても、日々の活力まで削られてしまっては本末転倒だと思いました。
逆に、コンビニでなんとなくお菓子を買う習慣や、自動販売機を使う習慣はやめました。こちらは「ちょっと食べたい」「ちょっと喉が渇いた」程度の、なくても困らない支出だったからです。
見直したもの: 自販機、コンビニのお菓子、通信キャリア
具体的に見直したものをいくつか挙げます。
お菓子は、一袋そのまま買うのをやめて、小袋や個包装になっているものに変えました。もともと「ちょっと食べたいだけ」だったので、量を減らすだけで十分満足でき、無理な我慢という感覚はありませんでした。
自動販売機は、近くのスーパーやドラッグストアで買うことを増やして、なるべく使わないようにしました。ただ、水筒を持ち歩く、というところまではやりませんでした。理由は単純で、洗い物が面倒だったからです。ここで無理に完璧を目指すと続かなくなると思ったので、「自販機は使わないが、水筒までは持たない」という中途半端な線で自分の中では納得しています。
通信キャリアも、大手キャリアからの見直しをしました。使っているサービス内容自体はほとんど変わらないのに、支払う額だけ下がる典型的な固定費の見直しで、これは一度手続きしてしまえばあとは何もしなくていいので、真っ先にやってよかった項目です。
こうやって一つひとつ、「これは譲れない」「これはなくても困らない」を仕分けていくのが、私にとっての倹約のやり方でした。
自炊は維持、でも食材費の見直しは一度失敗した
自炊はもともと好きだったので、続けること自体は見直しませんでした。ただ、自炊にかかる食材費については一度見直しを入れています。
具体的には、調味料やタレ、麺類を安いものに変えたり、焼きそばに乗せる紅生姜や、ざるそばに乗せる刻みのりやネギといった、いわゆる脇役の食材を買わないようにしてみました。ところが、これをやると一気に食事が味気なくなってしまい、「これはさすがにダメだ」と実感し、一定期間で元に戻しました。
これは自分にとって良い失敗だったと思っています。脇役の食材は、金額的には大したことがなくても、食事の満足度に対する影響はかなり大きい。ここを削って浮く金額と、削ったことで下がる満足度を天秤にかけると、明らかに割に合わなかったということです。見直すべき支出と、見直してはいけない支出の境界線を、身をもって学んだ出来事でした。
大きい買い物は一度悩んでから
日々の細かい支出だけでなく、少し大きい買い物についても、自分の中でルールを作りました。それは、衝動買いをやめて、本当に必要かどうかを後日改めて判断するということです。
これは私自身が浪費家気質だったからこそ意識していることでもあります。欲しいと思った瞬間に買うのではなく、一度時間を置いて、他のサービスや製品との比較、実際の効果、支払うコストに見合うかどうかをちゃんと考えてから判断するようにしました。
家電は特にもともと好きなジャンルで、次々と気になる新製品が出てくるので、この「一度悩む」ルールが一番効いている領域です。実際に悩んで、買わなかったものと買ったものの例を紹介します。
やめたのは、掃除ロボットです。便利だとは思ったのですが、「自分で掃除すればいいか」という時間の判断でやめました。それに加えて、集めたゴミを結局自分で回収しないといけない手間もあり、そこまでQOLが上がる買い物ではないと判断しました。
逆に買ったのは、低温調理器です。もともと自炊をしていたこともあり、温度調節の難しさは自分でよく分かっていました。既製品(市販の調理済み食品など)と比べて材料費が安く済むのに加えて、調理中の時間を別のことに使えるという点で、これは明らかにQOLが上がると判断して購入しました。
同じ「便利になりそうな家電」というくくりでも、片方はやめて片方は買う、という判断が分かれたのは、結局のところ「自分の生活の中で、本当に時間や満足度が上がるか」を基準にしていたからだと思います。
結論: 目的と現状分析があれば、削る・削らないは自然と決まる
私にとって節約・倹約の目的は、投資に必要な入金力を高めることでした。無駄を省いて、そのぶんを投資に回すというのが、一貫した狙いです。
正直、まだもっと切り詰めることはできると思います。ただ、そこまではしませんでした。外食を削って日々の活力まで失われるようなら、それは本末転倒だと思ったからです。何事も適度が大切で、無理な切り詰めはどこかで反動が来ますし、何のために倹約しているのか、生きる価値そのものを見失いかねません。
目的がない、漠然とした節約・倹約も、同じくらい危険だと思っています。何のためにお金を貯めているのかが分からないまま切り詰めるだけだと、人生の彩りがなくなってしまいます。
削る部分についても、一度立ち止まって考えた方がいいと思っています。よく「無駄遣いをやめるために、会社の飲み会には行かない」という節約特集を見かけることがあります。金額だけを見れば、たしかに分かりやすい削減ポイントです。ただ、そこで得られていたはずのコミュニケーションという価値まで一緒に削ってしまっていないか、というのは、単純な支出額だけでは測れない部分だと思っています。私自身は外食やお酒代を譲れないものとして残した通り、何を削って何を残すかは、金額の大小だけでなく、自分の生活における意味も含めて判断すべきだと考えています。
まとめ
節約と倹約は似ているようで、「減らす」に寄るか「バランスを取る」に寄るかというニュアンスの違いがあります。どちらにしても大事なのは、目的と現状分析をした上で、削っていい部分と譲れない部分を自分なりに仕分けることだと思っています。
- まずは紙とペンで支出を洗い出し、譲れないものを見つける
- 削って良かったものと、削って失敗したものの両方を経験しながら、境界線を身につけていく
- 大きい買い物は一度悩んで、比較・効果・コストで判断する
- 目的を見失わず、バランスを崩さない範囲で続ける
派手な節約テクニックの紹介ではありませんが、こうした一つひとつの線引きの積み重ねが、結果的に無理なく続けられる入金力アップにつながっていると感じています。