この記事について

IT業界で働く若手エンジニアの方、キャリアの方向性に悩んでいる方、技術だけでなくマネジメントや生成AIにも興味がある方に向けて、今回は私自身のキャリアを紹介します。

結論を先に書くと、私は新卒からエンジニアとしてキャリアを始め、2回の転職を経て、今は技術者兼マネージャーとして働いています。自慢したいわけではなく、「こういう経験をしてきた人間が書いているブログです」というスタンスを示すための自己紹介です。

エンジニアのキャリアの分岐点について

IT業界でキャリアを積んでいくと、多くの人がどこかで「スペシャリストとして技術を極める道」と「マネジメントに軸足を移す道」の分岐に直面します。企業によっては、技術力を評価する「専門職コース」と、組織運営を評価する「マネジメントコース」を明確に分けている場合もあれば、両方をなだらかに行き来できる場合もあり、制度としての明確さは会社ごとにかなり差があります。

最近では、両者の中間にあたる「プレイングマネージャー」(技術も持ちながらマネジメントも担う役割)という働き方も一般的になってきました。特に生成AIの登場で、技術の実装スピード自体が上がったこともあり、技術がわかる人間がマネジメント側にも回ることの価値は以前より高まっている印象があります。

どちらの道が良い・悪いという話ではなく、自分が何を大事にしたいかで選択が変わる領域だと思っています。私自身は、結果的に技術とマネジメントを両立する道を選んできました。

私のキャリア: 技術者からマネージャーへ

新卒でITエンジニアとしてキャリアをスタートし、現在まで約10年以上になります。この間、技術者・リーダー・マネージャーと役割を広げてきました。役割が変わるたびに、求められるアウトプットの単位も変わっていった感覚があります。技術者の頃は自分の書くコードや設計そのものが成果でしたが、リーダーになるとチームの成果物、マネージャーになると組織としての動き方そのものが評価対象になっていきました。

今は約10名規模の組織をマネジメントしており、担当領域も顧客提案からプロジェクト推進まで幅広くなっています。技術者としての経験をベースに、事業や組織づくりにも関わっているのが今の立ち位置です。エンジニア出身であることは、技術的な実現可能性を踏まえた上で顧客に提案できる、という点で今でも武器になっていると感じています。

この間に転職を2回経験しています。

転職で大事にしたこと

転職の際、給与や処遇はもちろん大事な判断材料でした。ただ、それ以上に意識していたのは、自分がやりたいことを徹底的に棚卸しすることと、目先の条件だけで判断しないことです。年収や肩書きは転職した瞬間にわかりやすく変わりますが、実際にそこで何年も働くことを考えると、日々の仕事の中身や裁量のほうがよほど重要だと考えていました。

もう一つ大事にしていたのが、選考の過程で担当者ととことん認識をすり合わせることでした。求められている役割、任される裁量、今後のキャリアの方向性について、曖昧なまま進めず、納得できるまで確認する。面接というと選考される側という意識になりがちですが、自分にとっては「この会社で数年働くイメージが具体的に持てるか」を確認する場でもありました。

この積み重ねがあったからこそ、2回の転職とも「思っていたのと違った」という後悔をせずに済んでいると感じています。

マネージャーになって良かったこと・苦労したこと

良かったこととしては、技術だけでなく事業や組織の視点を持てるようになったことが大きいです。顧客への提案からプロジェクトの推進、生成AIの活用まで、担当する領域が技術一本のときより明確に広がりました。技術のことしか見えていなかった頃は気づかなかった、事業としての優先順位や、組織を動かす上での制約が見えるようになったのは、単純に視野が広がった実感があります。

今でも技術は好きなので、マネージャーになった後も技術のキャッチアップは続けています。手を動かす時間が減った分、意識的に情報収集の時間を確保しないと技術から離れていってしまう感覚はあるので、そこは自分なりに意識してバランスを取っています。

一方で苦労したのは、プレイヤーからマネージャーへの切り替えです。自分の手を動かす時間は明確に減りましたし、成果が数字だけでは測れない仕事(メンバーの育成やチームの状態づくりなど)が増えたことには、最初かなり戸惑いました。プレイヤー時代は「自分がどれだけ動いたか」がそのまま成果に直結していましたが、マネージャーになると、自分が直接手を動かさないほうがチーム全体としてはうまくいく場面も出てきます。この感覚の切り替えには、今も完全に慣れたとは言い切れません。

スペシャリスト一本ではなく、両立を選んだ理由

一般的な「技術一本でスペシャリストを極める」キャリアと比べると、私が選んだのは技術とマネジメントを両立する道でした。どちらが正解ということではなく、自分は技術への興味を手放したくなかったし、同時に事業や組織にも関わってみたかった、というだけの話です。

スペシャリスト一本の道であれば、技術力という一つの軸を極限まで伸ばせる分、評価の基準もわかりやすいはずです。一方で両立する道は、技術・マネジメントのどちらの評価軸でも「中途半端」に見られるリスクと常に隣り合わせでもあります。それでも、この選択のおかげで、技術のことも、マネジメントのことも、どちらも自分の言葉で語れる立場になれたのは、振り返ると良かったと思っています。

このブログで発信したいこと

こういう経験をしてきたので、このブログのcareerカテゴリでは、一般論やまとめではなく、自分が実際に経験したことをベースに記事を書いていくつもりです。転職の話も、マネジメントの話も、技術と組織の両方に足を置いてきたからこそ書ける視点があると思っています。

同じように技術かマネジメントかで悩んでいる方や、キャリアの次の一歩を考えている方にとって、何か参考になる部分があれば嬉しいです。